個人的ライトノベル10大ニュース(2016年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。
そのままでは他と同じようになるので、新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

以前、電撃文庫Amazonに登録されるのが発売1週間前と非常に遅いものでした。ヒーロー文庫はタイトル発表が2週間前でした。今では、電撃文庫Amazonに登録されるのが発売1ヶ月以上前になっていて、ヒーロー文庫はタイトル発表が3週間前に変更しています。

  • 2. ラノベレーベル、刊行点数縮小化

ここ数年、なろう系の単行本ラノベレーベルが創刊ラッシュなのにないし、既存のラノベレーベルの刊行点数(特に文庫)が減ってきており(大手レーベルでは、2014年→2015年→2016年で、電撃文庫:185→175→158、富士見ファンタジア文庫:151→135→131、MF文庫J:140→140→98、コバルト文庫:67→42→39)、今年に至っては休刊と思われるレーベルも出てきました。(休刊は出版社が発表することは殆ど無く、判断が難しいです)
休刊したと思われるレーベルは、スマッシュ文庫星海社文庫,桜の杜ぶんこ,ノベライドルで、休刊間近と思われるレーベルは、一迅社文庫このライトノベルがすごい!文庫ルルル文庫,サーガフォレスト,C★NOVELSファンタジア,講談社BOXあたりです。

ラノベ電子書籍の問題点として、超人気作が売上減少を気にしたためか電子書籍化されていないことがありましたが、今年はソードアート・オンライン魔法科高校の劣等生(以上2作は電撃文庫CLUBで昨年配信開始しましたが、主要電子書籍ストアでは未配信でした),戯言シリーズ物語シリーズなどが電子書籍化しました。電子書籍に乗り換えても問題ない直前まで来た感じです。
電子書籍化していないので目立ったところは、オーバーロード境界線上のホライゾンヒーロー文庫,宝島社などがあります。

  • 4. オーバーラップ「人気作家新連祭」刊行延期あいつぐ

オーバーラップにて、壮大な企画「人気作家新連祭(グランドフェスタ)」が開催しました。が、刊行予定の書籍が次々延期となり、うち2作品は発売未定となっています。
10人の作家によるシェアワールド小説の「理想郷(ガーデン)」プロジェクトに関しても2作しか発売しておらず、続報は一切出ていないので気になるところです。

角川ビーンズ文庫で刊行している結城光流さんの少年陰陽師のイラストが、あさぎ桜さんから伊東七つ生さんに変更となりました。
10年以上続いたシリーズで、違うタイプのイラストのため、ちょっと勿体なく思いってしまいます。
特に今年はイラスト変更が多かった(特になろう小説)だったように思いますが、今度調べてみようかと思います。

ヤマグチノボル氏の「ゼロの使い魔」の続編が刊行されました。著者は「ヤマグチノボル」で、実際の執筆者は非公開となっております。
なお、最終巻は2017年2月刊行予定となっています。

  • 7. ノベルゼロ創刊

1月、ノベルゼロがKADOKAWAより創刊しました。このレーベルは、公式以外のサイトからの宣伝がほとんどなく、売る気があるように見えません。
ブランドカンパニーはメディアファクトリーと思うのですが、メディアファクトリーの公式サイトの書籍情報にはノベルゼロの書籍が載っていないので、どんな扱いになっているのか興味があります。

  • 8. 小説投稿サイト、続々オープン

KADOKAWAよりカクヨム、ツギクル株式会社(ソフトバンクグループ)よりツギクル、幻冬舎ピクシブよりピクシブ文芸がオープンしました。特にカクヨムは次々に書籍化が行われています。
小説家になろう」が好調のために出版社側が自前で用意したのでしょうが、今後どのように発展させていくか楽しみです。

鎌池和馬氏が今年も毎月の刊行が行われ、25ヶ月連続(「鎌池和馬BOX」を含めると28ヶ月)の書籍刊行が行われました。

  • 10. GA文庫、24ヶ月連続10周年キャンペーン開催

こちらはGA文庫が10周年キャンペーンを24ヶ月連続で実施しました。
10周年記念を2年間も続けるのはやりすぎでしょう。

おまけ

ラノベではなく、周辺関係で気になったものを取り上げています。


1. KADOKAWAサイトリニューアル
KADOKAWAのサイトのリニューアル前、新刊情報は角川書店富士見書房角川書店のサイト(URLは www.kadokawa.co.jp でしたが)にあり、
KADOKAWAのサイトの方にも書籍情報はあったのですが、検索しづらいものでした。
今回のリニューアルで、KADOKAWAのサイトは使い勝手が良くなったのに対し、角川書店のサイトは新刊情報が載るのが遅くなっている感じです。


2. 太洋社 破産、ブックサービス 楽天ブックスと統合
今年、太洋社が破産し、ブックサービス楽天ブックスと統合してしまい、両サイトで掲載されていた新刊情報が見れなくなりました。
いろいろ重宝していたのに残念です。


3. 大手出版社ライト文芸レーベル、苦戦?
大々的なキャンペーンを行って2014年創刊の新潮文庫nexと2015年創刊の講談社タイガですが、どちらも思ったようにいっていないように思えます。
新潮文庫nexは創刊前に年50冊刊行といっていましたが、1年目は冊、1年目は冊しか刊行できていません。新装版も多く、2017年1月刊は3冊とも、2017年1月刊は2冊とも新装版です。
講談社タイガは創刊前に44名もの執筆陣を発表しましたが、1年目は27名しか刊行できておらず、全員が刊行するのはずいぶん先のことのように思えます。
なお、ライト文芸レーベルで朝日エアロ文庫は休刊、招き猫文庫・コスミック文庫αは休刊間近に見えます。