個人的ライトノベル10大ニュース(2017年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。

今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

  • リンダパブリッシャーズ、刊行停止

レッドライジングブックスを刊行しているリンダパブリッシャーズが事業縮小に伴い、9月以降新刊の発売を停止しました。開催していたWEB投稿小説大賞に関しても、受賞作は必ず書籍化すると明記していながら終了となっているのは残念です。なお、徳間書店から1作品は刊行済み、4作品が刊行予定となっています。レッドライジングブックスは今年から発売元を徳間書店から泰文堂に切り替えていたので、同じCCCグループとはいえ徳間書店はよく引き受けたなと思います。

レーベル毎の刊行点数はいつも電撃文庫が多いのですが、今年は富士見ファンタジア文庫が141点、電撃文庫が137点と富士見ファンタジア文庫の方が多くなっています。レーベル毎の刊行点数で電撃文庫以外となるのは2005年のコバルト文庫以来です。

  • MF文庫J、定価580円以外の書籍を刊行

MF文庫Jは多少厚くなっても創刊以来頑なに1冊が定価580円(現在は税込み626円)で刊行していましたが、十字静「図書迷宮」は842円(520ページ)で刊行しました。

  • 文庫レーベル各社、なろう単行本レーベル創刊

今年はヒーロー文庫が1月にプライムノベルス、ガガガ文庫が5月にガガガブックス、講談社ラノベ文庫が6月にKラノベブックス、ダッシュエックス文庫が10月にDノベルを創刊しました。これで主な少年向けラノベ文庫レーベルで単行本レーベルを持っていないのは電撃文庫ぐらい(ファミ通文庫はレーベルになっていないだけで単行本でなろう作品を刊行しているので除外)になってしまってます。

このところ、ラノベのコミカライズが盛んになってきていますが、自前で準備するところが出てきました。モンスター文庫・Mノベルスは9月にモンスターコミックス、ダッシュエックス文庫は10月にダッシュエックスコミックがオープンしています。

ファミ通文庫ネクスト、講談社ラノベ文庫は白背表紙でキャラクター文芸向きの作品を刊行しました。書店での扱いが困りそうに思えます。あと、キャラクター文芸作品は増えているようですが今年はレーベルの創刊はなかったので、今後のキャラクター文芸の扱いがどうなるか分かりにくいです。

ノーゲーム・ノーライフ 10巻ですが、今年7月より毎月のように翌月刊行予定と延期を続けていて、現在は来年1月の予定となっています。出せないのであれば予定から外すことはできないのかとは思っています。

  • 鎌池和馬、連続刊行はストップとなるものの、7作刊行

鎌池和馬氏が昨年12月まで25ヶ月連続で刊行していたのですが、今年1月は刊行はなく、連続刊行はストップしました。それでも、今年は7作品を刊行しています。

富士見ファンタジア文庫諸星悠空戦魔導士候補生の教官 EXTRA MISSION」およびダッシュエックス文庫の 須崎正太郎「異世界君主生活 2」、北國ばらっど「僕らはリア充なのでオタクな過去などありません(大嘘) 2」が電子書籍のみで刊行となりました。今後、電子書籍のみの刊行が増えていくのか興味があります。

  • 一迅社文庫編集、「電子書籍の売り上げって続刊にまったく寄与しないどころかマイナス」とつぶやき炎上

一迅社文庫の元編集の人がTwitterでつぶやいたことが色々話題となりました。特に「電子書籍の購入は作家の応援にならない」と語ったことになってしまっていて、出版社は閉鎖的と避難している意見が目立ちました。実際の内容はともかく、短文で区切れてしまうTwitterで語らない方がいいのでしょう。