個人的ライトノベル10大ニュース(2022年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。 今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

DREノベルス、創刊

今年もいくつかのレーベルが創刊しました。その中でもドリコムよりDREノベルスが創刊しました。最近のレーベルとしては珍しくキャンペーンが活発で、随分金を掛けている印象です。

美少女文庫、休刊?

美少女文庫が8月以降、刊行が止まってしまいました。刊行ベースも月3冊と安定して出していたのに急に止まるとは珍しいパターンです。電子書籍専門レーベルであるフランス書院eブックスに移行したのかもしれません。

BL,ジュブナイルポルノ、規模縮小

美少女文庫休刊もありますが、キルタイムコミュニケーションの「二次元ドリーム文庫」「リアルドリーム文庫」も刊行が滞りがちです。Web小説系も勢いがなく、毎月刊行しているのはパラダイムのみとなっています。BLの方も休刊するレーベルが増え、BL作家の中には一般文芸の方に進出しているのをよく見かけるようになりました。

ライトノベルレーベル発ジュニア文庫創刊が活発化

BLやジュブナイルポルノの方は縮小傾向にありますが、唯一’(?)勢いのある児童小説の方に進出しているようです。2018年にPHPジュニアノベル、2019年にTOジュニア文庫、2021年にかなで文庫が創刊しています。これらは主に特定作品の文庫化(PHPジュニアノベルの場合は新シリーズ)がほとんどでした。今年、アルファポリスよりアルファポリスきずな文庫が創刊しました。レジーナブックスからの文庫化で対象作品が増えています。

米澤穂信氏、直木賞受賞

米澤穂信氏が1月、直木賞を受賞しました。少年向けラノベ新人賞からデビュー(第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞)では初ですね。真藤順丈氏の場合は電撃小説大賞 銅賞を受賞してますが、他の作品でデビューしているので除外です。

講談社ラノベ文庫、7年前の新人賞受賞作を刊行

2015年9月、第5回講談社ラノベ文庫新人賞を受賞した、ミミ「ダンジョン城下町運営記」が今年12月に刊行されました。受賞から7年経っています。なぜこんなに時間がかかったのか興味はありますが、あとがきにも特に触れていませんでした。

公式サイトの更新が遅れがちなラノベレーベルが増える

ラノベレーベルの中には公式サイト以外に、Twitterをもっているところも多いです。すると、Twitterでつぶやくだけで、公式サイトは放置や発売日ぎりぎりまで更新しないことこが増えています。

モーニングスターブックス:公式サイト更新せず

ヒーロー文庫:ネット書店で登録されると、Twitterで新刊情報を発信するが、公式サイト更新は発売日直前

講談社ラノベ文庫、Kラノベブックス:発売日当日、昼にはTwitterで宣伝するが、公式サイトの更新は夕方以降

Missing新装版、最終巻まで無事刊行

メディアワークス文庫より刊行していた「Missing」の新装版が最終巻まで無事に刊行しました。ラノベの新装版の場合、長編シリーズだと途中で中断することが多いので、珍しいです。

主要ラノベレーベル全てで新人賞作家がアニメ化達成

主要なラノベレーベルの多くは新人賞を開催しています。そこからデビューして、アニメ化作品を生み出すこともありますが、ダッシュエックス文庫集英社ライトノベル新人賞)と講談社ラノベ文庫講談社ラノベ文庫新人賞)から中々アニメ化作家が生まれませんでした。しかし、ついに集英社ライトノベル新人賞からは2022年に紙城境介氏(継母の連れ子が元カノだった)が、講談社ラノベ文庫新人賞からは2023年に澄守彩氏(実は俺、最強でした?)がアニメ化作家となりました。もっとも、どちらもデビューしたレーベルからではなく、ネット小説からの復帰という感じで、アニメ化を目指すには不向きなレーベル・新人賞と言えそうです。

ラノベ単行本レーベルの価格が50円単位に

ラノベ単行本レーベルの価格は一部レーベル(TOブックス、ムゲンライトノベルス)を除き、税別100円単位で発売されています。さすがに厳しくなったのか、12月刊に「Unnamed Memory ~after the end~ II」「勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録 IV」のように税別50円単位で発売され、来月以降も何作品かで見かけるようになりました。物価高の影響でしょうね。