Amazon専用ISBN

自分は某所で新刊情報サイトを運営しており、手動で各所から取得したISBNを元にマクロでAmazonリンクの作成を行っています。が、何故かリンク作成に失敗する書籍があり、よく見てみるとISBNが違っていました。それは以下の4作品で、他の書店サイトでは用いられていないISBNなのでAmazon専用のISBNとなっています。
落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)5 (GA文庫) (isbn 9784797377927)
【Amazon.co.jp限定】異能バトルは日常系のなかで 7 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫) (isbn 9784797377903)
【Amazon co.jp限定】FLESH&BLOOD(22)書き下ろしショートストーリー付き (キャラ文庫) (isbn 9784199007620)
【Amazon co.jp限定】不響和音 二重螺旋9 書き下ろしショートストーリー付き (キャラ文庫) (isbn 9784199007637)


ちなみに、3作品は発売日前後に通常のISBNでもAmazonに登録されました。
※2014/08/04現在、未登録 (isbn 9784797377545)
異能バトルは日常系のなかで 7 (GA文庫) (isbn 9784797377569)
FLESH&BLOOD〈22〉 (キャラ文庫) (isbn 9784199007569)
不響和音―二重螺旋〈9〉 (キャラ文庫) (isbn 9784199007576)


特徴としては、Amazon限定のショートストーリー付きといった点です。ただ、同月同レーベルの他の書籍でもAmazon限定のショートストーリー付きがあり、それらはISBNは新たに取得されていません。
何の違いがあるのか興味があったので、買ってみました。



GA文庫の場合は、シールを貼っているだけで全く同じようでした。キャラ文庫の場合は、本体もISBNが書き換えられていますが、それ以外は全く同じようでした。
どちらにしても、何のためにISBNを割り振ったのか理解不能です。意味があるのならその理由が知りたいところです。


追記(2014/08/07)
はてブなどより、Amazon専用ISBNは限定商品だからでは?との意見がありましたが、上記の書籍はAmazonの店舗特典であって通常版とも値段は変わらないので、限定商品とは呼べないと思っています。
AmazonでもAmazon以外の書店でも特典はつけている書籍は数多くあります。中でもGA文庫は特典をつけている書籍が多く、8月刊の場合は5点全てショートストーリー付きです。
なので、2点のみISBNを新たに取得しているのが不思議に思っています。

出版月報 2014年3月号「特集 2013年文庫本マーケットレポート」ライトノベル関連

去年も書いたので、引き続き。自分用メモ。

ライトノベル市場

●初の前年割れ

 右肩上がりの市場拡大を続けてきたライトノベルだが、13年の販売金額は前年比12.0%減の250億円規模と大幅な減少となった模様だ。当研究所がライトノベルの市場規模の観測をはじめた04年以降、初めてのマイナス成長となった。
 前年に爆発的なヒットを記録した川原礫ソードアート・オンライン』(電撃文庫)のような作品は見当たらず、売上に直結するアニメ化作品も少なかったことが影響している。

2012年より少ないということは説明できているけど、2009年よりも少ないので他の理由の方が大きそう。

KADOKAWA・郡司顕義氏はマイナス成長は一時的な踊り場と考えており、「過去にも『ロードス島戦記』や『涼宮ハルヒ』の大ヒットした翌年は厳しくなることは経験済みだからです。ただ新作のヒット率が落ちているということは非常に気がかりな点です」という。

涼宮ハルヒ』の大ヒットは多分06年のことだと思うのですが、07年に伸びが鈍ったというソースがどっかにないだろうか?

ライトノベルはコミックス同様、アニメ化によって基礎部数を大幅に持ち上げ、次回巻につなげることができる。

ライトノベルは、コミックスと違ってアニメ化すると次回巻が出にくくなっている印象がある。

 新たに売れ行きを伸ばしたのはボカロ小説のじん(自然の敵P)『カゲロウデイズ』(KCG文庫)だ。
(略)
読者はボカロ作品を動画サイトで視聴している中高生女子が中心だという。

ボカロ小説についての記述はあったが、ネット小説については記述なし。

KADOKAWA シェア8割へ
 13年10月のグループ再編により、男子向けライトノベル市場のシェア8割をKADOKAWAが占めている。ヒーロー文庫主婦の友社)が気を吐くものの規模の差は大きい。

KADOKAWAに続くレーベルとしてGA文庫ガガガ文庫ではなく、月1,2点しか刊行していないヒーロー文庫を取り上げるのは違和感を感じる。

今、KADOKAWAは『ビブリア古書堂の事件手帖』のようなカバーイラストやシリーズ続刊が出るなどライトノベル的な要素を持ち、読者を一般文芸へ橋渡しをする「キャラ文芸」と呼ばれるジャンルに力を入れている。

「キャラ文芸」なんて、聞いたことがなかったけど、角川書店にキャラクター文芸編集部があった。ここで作られるのが「キャラ文芸」ってことかな。
https://twitter.com/kadokawa_c_bun

ライトノベル市場の課題は大ヒット作品は安定して続刊が売れているものの、新たに売り上げを伸ばす作品が中々出てこないことだ。同一読者の複数買い、ワンコンテンツ・マルチユースがライトノベル市場を支えているが、今後の市場拡大は新たな読者獲得が進捗するかどうかにかかっている、と言えよう。

角川グループ再編によるISBN変更

2013年10月、「株式会社KADOKAWA」は、アスキー・メディアワークスなど9社と合併いたしました。それによって、電撃文庫富士見ファンタジア文庫・富士見ドラゴンブック・MF文庫JのISBNが旧出版社コードの書籍の増刷分(?)が変更しています(ファミ通文庫ビーズログ文庫はISBNが旧出版社コードの書籍の増刷なし?)。ネット書店で検索してみると既に切り替わっているようです。変更したか確認する方法としては、ジュンク堂書店のみ、発行年月が切り替わった年月になっている(他は旧ISBNと同じ年月)ので、レーベル毎に検索して抽出しました。

  • 富士見ドラゴンブック
    • 2013年12月
      • 魔法戦争 : 978-4-8401-4305-9 ==> 978-4-04-066445-3
      • 魔法戦争 2 : 978-4-8401-4530-5 ==> 978-4-04-066446-0
      • 魔法戦争 3 : 978-4-8401-4678-4 ==> 978-4-04-066447-7
      • 魔法戦争 4 : 978-4-8401-4937-2 ==> 978-4-04-066448-4
      • 魔法戦争 5 : 978-4-8401-5138-2 ==> 978-4-04-066449-1

ライトノベル作家の一般作刊行(2013年版)

以前の「ライトノベル作家の越境状況 - Matsuの日記」の2013年版です。

今回はちょっと条件を変えてみます。

以下は一般作第一弾の刊行月,タイトルです。

  • 2002年04月 野尻抱介「太陽の簒奪者」(ハヤカワSFシリーズJコレクション)
  • 2002年12月 深見真「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」(角川書店) ※Next賞受賞作
  • 2013年01月 岡篠名桜「浪花ふらふら謎草紙」(集英社文庫
  • 2013年02月 紅玉いづき「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」(角川書店
  • 2013年07月 野崎まど「know」(ハヤカワ文庫 JA)
  • 2013年09月 河野裕「つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない」(角川文庫)
  • 2013年10月 はむばね「欠陥妖怪住宅」(徳間文庫)
  • 2013年11月 唐辺葉介「電気サーカス」(KADOKAWA
  • 2013年12月 南房秀久「おっとり若旦那 事件控(一) 大江戸世間知らず」(富士見新時代小説文庫)
  • 2013年12月 市川丈夫「八卦見豹馬吉凶の剣(一) 三度、斬る」(富士見新時代小説文庫)
  • 2013年12月 青木祐子「薬師・守屋人情帖 朧月夜の怪」(富士見新時代小説文庫)
  • 2013年12月 響野夏菜「ザ・藤川家族カンパニー あなたのご遺言、代行いたします」(集英社文庫

出版月報 2013年3月号「特集 2012年文庫本マーケットレポート」ライトノベル関連

誰かがまとめてくれるのを待っていたが見かけないので、自分用のメモとして。

販売・発行状況

2012年の文庫本(コミック文庫を除く)の推定販売金額は前年比0.5%増の1,326億円。2年連続のプラス成長、12年の書籍各部門のなかで唯一の前年超えとなった。推定発行部数は2億1,231万冊で前年並みを維持している。

売れ行き動向

三上延ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)は書店員のおすすめで動きが出始めた作品だ。12年の本屋大賞に文庫として初めてノミネート。初版1万8千部でスタートし13年2月の4巻までのわずか2年で570万部のヒットシリーズ作品に成長した。同作のブレイクは装丁画のイラストを見てもわかるように、ライトノベルのテイストを持ちながら、一般読者も惹き付ける内容だったことも大きい。

■2012年 文庫本売れ行き良好書*1

順位 タイトル 作者
1 ビブリア古書堂の事件手帖(1〜3) 三上延
8 三匹のおっさん 有川浩
10 ソードアート・オンライン(1〜11) 川原礫
11 天地明察(上・下) 冲方丁
24 氷菓 米澤穂信
28 僕は友達が少ない(8) 平坂読
29 新約 とある魔術の禁書目録(4・5) 鎌池和馬
30 カゲロウデイズ(1・2) じん(自然の敵P)
34 図書館戦争シリーズ(1〜4) 有川浩
35 愚者のエンドロール 米澤穂信
36 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(10・11) 伏見つかさ
46 ふたりの距離の概算 米澤穂信
49 バカとテストと召喚獣(10.5) 井上堅二

日経エンタメでは、1巻の初版は2万4千部と記述があったようだが、どちらが正しいかは判断できないので不明。

ライトノベル市場


拡大を続けてきた12年の販売金額は前年比3.6%増の284億円規模と推定される。飛ぶ鳥を落とす勢いだったライトノベルの成長曲線もここにきて鈍化してきている。

9,11年の販売金額を見てみると、前年比は平均3.25%増(257×1.0325×1.0325≒274.0)。特に成長が鈍化しているとは言えないと思う。なお、今回は上記グラフと販売金額のみで、男女別など他のデータなし。

ライトノベルは10代読者向けの作品群であり、本来、読者層が入れ替わっていくことが自然な流れだといえるものだ。しかし、実際にはライトノベル創成期からの読者も多く、20〜30歳代が中心読者層を形成している。

解説のみでデータなし。他に角川グループパブリッシングの栗原真史氏のコメントあり。

*1:ライトノベル関係のみ抜粋

多担当ライトノベルイラストレーター

以前の「速筆ライトノベル作家 - Matsuの日記」,「速筆ライトノベル作家 (2010-2012年) - Matsuの日記」を記事にした分のイラストレーター版です。複数のイラストレーターが担当している作品は除きます。新装版に関しては旧版とイラストレーターが同じ場合は除いてます。ただ、書誌情報を元に調査しているため、表紙のみで挿絵がないといったこともあるかもしれませんが、確認が難しいのでチェックしていません。ご了承ください。

刊行点数(年間6冊以上)

2000年2001年2002年2003年2004年
14麻々原絵里依13道原かつみ12道原かつみ11蓮見桃衣11日向悠二
10鈴木雅久12あさぎり夕9竹岡美穂10いのまたむつみ10椋本夏夜
9道原かつみ12おおや和美8おおや和美10明神翼9エナミカツミ
8あさぎり夕12鈴木雅久8久織ちまき9あさぎり夕9明神翼
8浅見侑8いのまたむつみ7COM8緒方剛志8純珪一
7いのまたむつみ7椋本夏夜7金田榮路8松本テマリ8放電映像
6おおや和美7ほたか乱7藤田香7COM8増田恵
6緒方剛志6赤羽みちえ7松本テマリ7鳴海ゆき8山本ケイジ超肉
6草河遊也7麻々原絵里依6赤羽みちえ8山本ヤマト
6古張乃莉6赤羽みちえ6いとうのいぢ8唯月一
6竹岡美穂6あさぎり夕6おおや和美7岩崎美奈子
6穂波ゆきね6浅見侑6金田榮路7雪舟
6松本テマリ6壱河きづく6瑚澄遊智6赤羽みちえ
6明神翼6いのまたむつみ6駒都えーじ6いとうのいぢ
6山田章博6凱王安也子6羽原よしかづ6おおや和美
6笠井あゆみ6藤田香6桐原いづみ
6椎名優6牧村久実6駒都えーじ
6鳴海ゆき6麻々原絵里依6椎名優
6蓮見桃衣6宮城6原田たけひと
6牧村久実6ヤスダスズヒト6凪良
6明神翼6唯月一6牧村久実
6煉瓦6松本テマリ
6麻々原絵里依
2005年2006年2007年2008年
10増田恵12椋本夏夜11増田メグミ12明咲トウル
10玲衣12山本ヤマト9ヤス10香坂ゆう
9椋本夏夜10山本ケイジ超肉8Ein10BUNBUN
9日向悠二9石田あきら8甘塩コメコ9池上紗京
8岩崎美奈子9椎名優8金田榮路9椋本夏夜
8金田榮路9日向悠二8椋本夏夜9凪かすみ
8山本ヤマト9深遊8ひだかなみ9増田メグミ
7いとうのいぢ9BUNBUN8ひびき玲音9ヤス
7いのまたむつみ9増田メグミ(増田恵)8BUNBUN8甘塩コメコ
7純珪一8エナミカツミ8由貴海里8風都ノリ
7放電映像8凱王安也子7植田亮8カズアキ
7由羅カイリ8金田榮路7エナミカツミ8高星麻子
6赤羽みちえ8東条さかな7竹岡美穂8鳴海ゆき
6甘塩コメコ7おおや和美7凪かすみ8ひだかなみ
6上田信舟7小河原亮7鳴海ゆき8武藤此史
6エナミカツミ7鈴木理華7藤田香8芳住和之
6駒都えーじ6甘塩コメコ7睦月ムンク7文倉十
6さとやす6文倉十6あき7植田亮
6鈴木理華6兎塚エイジ6あさぎ桜7岸田メル
6天広直人6加藤絵理子6岩崎美奈子7狐印
6vanilla6狐印6兎塚エイジ7椎名優
6富士山ひょうた6香坂ゆう6如月水7竹岡美穂
6BUNBUN6七草6岸田メル7ひびき玲音
6牧村久実6藤田香6QP:flapper7深遊
6星野和夏子6kyo6うなじ
6ほり恵利織6四季童子6緒方剛志
6裕龍ながれ6鈴木理華6如月水
6由貴海里6高苗京鈴6QP:flapper
6屡那6とよた瑣織6京極しん
6廣岡政樹6さそりがため
6倣学6四季童子
6武藤此史6シコルスキー
6ともぞ
6七草
6x6suke
6山本ケイジ超肉
6由貴海里
2009年2010年2011年2012年
14明咲トウル19明咲トウル20凪かすみ16明咲トウル
13池上紗京17凪かすみ15くまの柚子15くまの柚子
12椋本夏夜10池上紗京13明咲トウル12高星麻子
12凪かすみ10くまの柚子11伊藤明十12ゆーげん
11増田メグミ9伊藤明十10CUTEG11閏月戈
10植田亮9植田亮10サカノ景子11春日歩
10風都ノリ8彩織路世9あき11椎名咲月
9香坂ゆう8相音うしお9椎名咲月10CUTEG
9鳴海ゆき8サカノ景子9シコルスキー10黒銀
9BUNBUN8氷堂れん9ひだかなみ10サカノ景子
8カズアキ8藤真拓哉9るろお10しゅがすく
8京極しん8ブリキ8犬洞あん10しらび
8深遊8水沢深森8カスカベアキラ10蔓木鋼音
8藤城陽8深遊8空也10凪かすみ
8武藤此史7あき8蔓木鋼音10鍋島テツヒロ
7甘塩コメコ7Ixy8pun29あき
7うき7石川沙絵7石川沙絵9伊藤明十
7エナミカツミ7風都ノリ7起家一子9犬洞あん
7佐倉汐77さらちよみ9カスカベアキラ
7シコルスキー7椎名咲月7〆鯖コハダ9さらちよみ
7せんむ7津雪7武内崇9Ciel
7ヤス7フルーツパンチ7鶴崎貴大9増田メグミ
7をん7x6suke7ねぎしきょうこ9皆村春樹
6あき7増田メグミ7藤真拓哉9みやま零
6伊藤明十7mebae7BUNBUN9武藤此史
6起家一子7八重樫南7増田メグミ9refeia
6兎塚エイジ7山下ナナオ7由貴海里8石田可奈
6カスカベアキラ6起家一子6Ixy8起家一子
6岸田メル6カスカベアキラ6池上紗京8029
6如月水6かわい千草6植田亮8切符
6狐印6椋本夏夜6閏月戈8犀川夏生
6純珪一6KeG6岸田メル8小路あゆむ
6竹岡美穂6京極しん6すみ兵8松本テマリ
6津雪6桐野霞6高星麻子8森沢晴行
6ねぎしきょうこ6狐印6CH@R7池上紗京
6箸井地図6近衛乙嗣6鍋島テツヒロ7さくらねこ
66空也6ぽんかん(8)7nauribon
6ひびき玲音6四季童子6みやま零7瑠奈璃亜
6フルーツパンチ6せんむ6明星かがよ6あさぎ桜
6x6suke6高星麻子6由利子6鵜飼沙樹
6三日月かける6千葉サドル6refeia6
6宮城6鶴崎貴大6駒都えーじ
6森沢晴行66
6山本ケイジ超肉6みやま零6〆鯖コハダ
6芳住和之6由貴海里6シロウ
6るろお6鳴海ゆき
6refeia6ぽんかん(8)
6山下ナナオ
6由貴海里

電撃文庫の電子書籍化状況

最近、ライトノベル電子書籍化が活発に行われるようになったように感じますが、最大手の電撃文庫はあまり熱心ではないようです。そこで、BOOKWALKERに登録された電撃文庫を配信開始日順に並べてみました。

こうして見ると、電子書籍化は主要どころの作品はされず、夏場は多いが定期的には追加されていないようです。昨年、本で刊行された分の電子書籍化も「さくら荘のペットな彼女 7,7.5」「なれる!SE 6,7」「れでぃ×ばと! 13」の5点だけですし、当分期待できそうもありませんね。