ライトノベル作家の越境状況

ウィキペディアライトノベル作家の越境について以下のような記述があります。

ライトノベル出身でありながら、メジャーな賞を受賞する者も増え、今後は一般層もライトノベルを気軽に買う時代がやってくるのではないか、また、ライトノベル出身の作家たちが大衆文芸の市場をも広く支える時代が来るのではないかといわれている。

ライトノベル - Wikipedia

しかし、最近は一般で出すことはあるものの、一般で活躍している人は増えていない感じます。そこで、最近の越境状況を調べてみました。
ここでは実際に売れているかどうかの判断が難しいので、「ライトノベル作家が越境して活躍している」条件を次のようにしました。
ライトノベル作家とは、ライトノベルレーベルを中心に活動した人、もしくは活動した人とする。
・一般とは、ライトノベルレーベル,児童書以外とする(講談社ノベルスハヤカワ文庫JAも一般)。
・一般でデビューしていないこと(越境と呼びにくいから)。
ライトノベルの一般での刊行作品は除く。
・一般で2作品以上発表していること(上下巻は1冊として扱う)。

作家名 一般文芸1作目 発行年月 一般作品数
小野不由美 魔性の子 1991/09 5
乙一 石ノ目 2000/07 10
上遠野浩平 殺竜事件 2000/06 10
三雲岳斗 M.G.H. 楽園の鏡像 2000/06 5
野尻抱介 太陽の簒奪者 2002/04 2
深見真 アフリカン・ゲーム・カートリッジ 2002/12 3
小川一水 第六大陸 2003/06 9
米澤穂信 さよなら妖精 2004/02 11
有川浩 空の中 2004/10 11
橋本紡 猫泥棒と木曜日のキッチン 2005/08 9
桜庭一樹 少女には向かない職業 2005/09 8
山下卓 RUN RUN RUN 2006/03 2
壁井ユカコ NO CALL NO LIFE 2006/08 3
秋田禎信 カナスピカ 2007/06 2
小林めぐみ 魔女を忘れてる 2007/07 2
須賀しのぶ スイート・ダイアリーズ 2007/11 2

どうも最近は、単巻ならともかく複数の作品を発表する人が増えているとはいえません。多くのライトノベルレーベルが創刊し、他のレーベルで活躍しやすくなったためでしょうか。この冬にメディアワークス文庫が創刊されますが、創刊後に越境者が増えるかどうか興味深いところです。